

 |
商業施設に特化するファンドを始めた理由について教えて下さい。 |
 |
商業施設に特化した理由は幾つかあります。資産運用会社の三菱商事ユービーエス・リアルティ株式会社の親会社である三菱商事、UBSの両社は商業施設に特化する決断をする以前に、多岐にわたり慎重に調査分析を行いました。その結果、再編、合理化が今後予想される小売業界が、投資主の皆様にとって有利な投資機会があると結論づけました。
- 商業施設売却案件の増加:
小売業者、商業施設オーナーにとって、今後商業施設を保有し続けることが難しくなっています。その理由としては増加した有利子負債、本体業務(特に副業として小売業者に施設を賃貸しているオーナーの場合)の収益悪化、さらには減価償却負担の増加があげられます。
- 商業施設物件の開拓:
当ファンドは、新規取得物件の開拓に関しては、商業施設に特化した本邦初の不動産投資信託であること、さらに資産運用会社の親会社、三菱商事の国内における案件のソーシング力、また日本最大の総合商社として国内外における様々な企業との取引関係が活用できます。また資産運用会社である三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社は広く商業施設のオーナー、金融機関、その他オーナーと直接の関係を構築しており、物件が市場で競争入札になる前に有利な条件での取得が可能となる場合もあります。
- 商業施設の需給関係:
マクロ的には、オフィスビルと比較すると、商業施設物件の需給状況は好ましい状態にあります。
- 長期安定型の賃貸借契約:
商業施設のもう一つの特徴はオフィスビルと比較して一般的に契約期間が長期で安定していることです。この点は一般的に賃貸借契約が2年であるオフィスビルと比較すると、大きく異なっています。
- テナントからの敷金・保証金:
さらに、商業施設では総合スーパーからは多額で長期、無利息または低利の敷金・保証金等が預かり金としてあります。これが商業施設を取得する際に低利の資金調達機能を果たし、当ファンドの資金コスト引き下げに役立っています。しかし将来的にはこのユニークな制度は変わる傾向にあり、開発物件については今後一般的ではなくなることが予想されます。
- テナントと商業施設との一体化:
商業施設はテナントの店舗運営と一体的な関係にあります。商業施設の各店舗の売上向上がその商業施設の物件価値を高めることになり、テナントの店舗運営は商業施設にとっては大変需要な要素です。
|
 |
商業施設は、オフィスビルと比較すると流動性が低いように思われますが、商業施設に特化したファンドの不利な点が何かありますか? |
 |
原則的には、長期保有を前提に物件取得をしますが、保有する物件の売却が投資主にとって利益になる場合には売却も検討します。物件売却に際しては、保有する物件が十分な商圏を確保しており魅力的な店舗付けがなされていれば市場での売却は可能です。当ファンドが保有する商業施設、また今後取得、物件価値の向上が可能な商業施設物件については、売却に特に支障が生じるとは考えていません。当ファンドの保有する物件は立地条件、店舗付け共に優れており、需給関係の観点からも、特に問題があるとは考え難いからです。従って、売上がテナントの運営する店舗売上ランキングの上位にランクされている物件か、今後、売上のランキングが上昇する見込みのある場所にある物件を中心に投資します。
日本のオフィスビル市場は商業施設市場と比較すると格段に規模が大きく、空室率、賃料情報等が整備されております。更に、オフィスビルは商業施設よりも投資家の認知度が高く、取引物件の種類、数共に豊富です。しかし今後、商業施設関連の調査資料やデ−タ情報が投資家に幅広く公表されることにより、商業施設に関する理解も深まると予想されます。 |
 |
他のファンドと比較して、どこが違うか教えて下さい。 |
 |
外資との合弁会社として海外での不動産運用ノウハウを活用し、互いに技術面、専門性を補完し、そのノウハウを日本で生かすことで他社との差別化が可能と考えます。具体的には世界的金融サービス分野のリーダーであり、世界最大級の資産運用会社(不動産運用においても世界最大級の運用機関)のうちの一社であるUBSのグローバルスタンダードの資産運用ノウハウを活用します。
ファンドの安定性では、平成20年2月末時点で年間賃料の52.47%以上は、上位5テナントが占めています。また、適正な負債比率を維持し、保守的な財務運営を心がけます。平成20年2月末時点(第12期決算日時点)での負債比率(総負債/総資産)×100は53.02%です。
会社型投資信託の枠組みでの投資家保護は、当ファンドの運営にとって非常に重要なポイントとなっており、投資方針、投資基準の決定には、資産運用会社の取締役8名のうち少なくとも6名以上の賛成が必要とされます。さらに、取得物件の選別、不動産投資信託に関する税務、法令の遵守、加えて外部の委託先の選定についても厳格なプロセスを踏んで決定しています(不動産投資信託及び投資法人に関する法律では投資法人が従業員を採用することを認めておりません。その為に投資運用業務、カストディー業務、その他一般事務等を外部委託しております)。 |
 |
ファンドの長所・短所は、それぞれどこにあると考えていますか? |
 |
以下の点をファンドの長所・短所と考えます。
長所は下記の通りです。
- 商業施設への特化:
本邦で最大の商業施設に特化した投資を行う不動産投資信託です。商業施設が有望と考え、他社に先がけこの分野への投資を戦略的に始めました。
- グローバルスタンダードの不動産運用ノウハウ:
三菱商事と、世界で最大級、経験豊富な資産運用会社の一つであるUBSとのグローバル企業同士の合弁会社が運用しています。
- 親会社によるコミットメント:
両親会社は当ファンドの運用に関して最大限のサポートを約束しています。三菱商事は上場時に総投資口のおよそ9.6%を保有し、また平成15年3月の追加発行増資においては4,500口、平成16年3月には4,800口の追加取得、平成17年3月には3,000口の追加取得を行いました。また、資産運用会社である三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社も投資法人設立時の200口に加え平成15年3月と平成16年3月にそれぞれ200口を、さらに平成17年3月と平成18年9月にそれぞれ100口を追加で取得し、現在800口を保有しています。
- 健全なポートフォリオ:
当ファンドが保有する投資物件は比較的新しく、他の不動産投資信託と比較しても築浅の物件を保有しています。
- 増加する候補物件:
厳しい投資基準を満たす候補物件の数は増えており、様々な角度から精査、検討しています。
- 長期賃貸借契約と信用力のあるテナント:
信用力のあるテナントからの長期にわたる安定した賃料収入。
- 保守的な財務方針:
保守的な財務運営を目指しており、平成20年2月末時点(第12期決算日時点)での負債比率(総負債/総資産)×100は53.02%です。
- テナントからの預かり金:
商業施設では総合スーパーからは長期、無利息または低利の敷金・保証金等の預かり金があります。それが物件取得の際に資金調達の一部となり、当ファンドの資金コスト引き下げに役立っています。
- 物件価値の向上:
テナントの入れ替えによりテナントの質の向上を図り、さらには賃貸借契約に売上連動型の賃料体系を組み込むことで当ファンドの賃料収入を増やすことが可能となります。
潜在的な短所は下記の通りです。
- 商業施設についての投資家啓蒙:
機関投資家の皆様の商業施設に対する認識は高まっていると思われますが、未だ十分では無いと思われます。特にオフィスビルとの比較において商業施設の有利性は今後、当ファンドを通じてだけではなく、商業施設に関する幅広い調査情報等を通じて一層の理解が深まると考えています。
- 物件調達の手段:
資産運用会社の親会社は不動産系ではありませんので、親会社から新規物件の供給を受けることはありません。従って利益相反の可能性のある物件の購入や、投資法人への移転価格に関する問題を排除できると考えています。
|
 |
他のファンドとは異なり、収益ベースではなく、運用資産額ベースの運用報酬体系を選択した理由・根拠を教えて下さい。 |
 |
計算が単純で容易であり、運用資産額べースの報酬体系にしました。収益数値の算定に伴う疑問、報酬計算から生じる不明瞭な点を排除しました。運用資産額に対して0.6%の報酬料率を決定する際、海外の事例分析を重ねて行い、さらに運用報酬決定の過程では運用全般に係る経費総額との比率の分析も合せて行いました。 |
 |
物件の地域分散は十分になされていますか? |
 |
鑑定評価ベース約5,918億円(平成20年2月末現在)のポートフォリオは、運用会社の厳しい投資基準を満たしたもので、ファンド全体のリスクもかなり小さくなっています。ファンド保有物件の選定に当たり、資産運用会社の不動産投資部はかなりの数の候補物件を精査検討し、立地、周辺商圏、テナントの信用度さらには競合の観点で投資基準を満たせるものを精査しています。
投資対象地域は、原則として、東京・名古屋・大阪の3大都市圏を中心としますが、日本国内の政令指定都市を含めた主要な都市等についても分散投資を行っています。
中長期的な視点から目標とする保有資産の構成を以下のように設定しています。
- 東京及び東京周辺都市部 40〜60%
- 大阪・名古屋及び同地域周辺都市部 20〜40%
- 政令指定都市 10〜30%
- その他 0〜20%
現状の地域分散状況につきましては、ポートフォリオデータ をご参照ください。 |
 |
保有物件の周辺地域の経済状況が悪化した場合、収益性等に悪い影響を及ぼす可能性はないのでしょうか? |
 |
資産運用会社の不動産投資部はかなりの数の候補物件を精査検討しましたが、立地、周辺商圏、テナントの信用度等でその殆どが投資基準を満たさず取得を見送りました。
商圏の分析は商業施設取得の際、極めて重要な要素であり、物件の所在する地域の人口動態をはじめとしたマクロ情報、商業施設を取り巻く地域情報には特に注意を払います。
資産運用会社としては一般的に安定した人口が存在し、雇用が確保され、商業施設の新規店舗開発の可能性が限られている主要都市を対象地域と考えます。
具体的には、当ファンドが保有している物件には以下の利点を備えていると考えます。
- 広範囲に及ぶ地域経済の基盤
- 比較的良質な生活基盤を確保できるインフラが整備されている
- 住居地域からの通勤地、商業施設への交通の利便性がある
- 中核となる人口が多い
- 十分な用地確保が難しく新規商業施設の出店が容易でない
一般的には新規出店の為に十分な用地確保ができないのが第一の理由ですが、加えて、建設資金の調達が難しい、開発を手がける側も資金調達を含め従来のように財務的に余裕が無い(これらの要因により既存の商業施設の売却が促進されることが予想される)等があげられます。 |
 |
今後、当ファンドに追加される物件の種類は、どのようなものが考えられますか? |
 |
既に多くの取得候補物件があり、調査を始めています。総合スーパー、百貨店、専門店、 量販店、高級品店を含め小売商業施設の枠中で優良物件を精査検討しています。インカム型、グロース型の物件を組み合わせ、地域分散も考慮した適正なリスクのファンドの構築を考えています。
物件購入の際は、資産運用会社が設定した投資基準に照らし合わせ、厳しい規律をもって投資判断を行っています。それにより、投資主の皆様には、より長期的な利益を享受して頂けると思っています。 |
 |
今後の具体的な資産規模の目標はありますか? |
 |
上場後3年以内に資産規模を2,000億円に、5年以内に4,000億円にという目標をいずれも前倒しで達成することができました。その後、外部環境等の変化の中、平成20年8月期からの3年間を新たな成長機会と位置づけ、物件の入替や内部成長を中心とした「ポートフォリオの質」の強化を図る事を基本方針とした中期運用基本方針を発表いたしました。詳しくは、こちらをご覧下さい。 |
 |
投資物件を選ぶ際、何を重視しますか? |
 |
物件の選定において、総合的な判断、分析を慎重に行い、商圏、物件の所在地、競合状況、テナントの信用度等をもとに厳格な選定プロセスを経て、決定しており、これらの基準を満たさず取得に至らなかった物件も数多くあります。
新規取得物件の選定には、重要な要素として、商圏調査、人口動態調査、市場状況等多岐にわたる商圏状況を慎重に分析し、小売商業不動産の市況による影響についても十分な検討を行っています。
一般論としては人口の多い地域を一義的に目標に考えています。投資対象物件は地域人口、雇用状況が安定している都市及び郊外に位置しており、次のような利点が考えられます。
- 広範囲に及ぶ地域経済の基盤
- 比較的良質な生活基盤を確保できるインフラが整備されている
- 住居地域からの通勤地、商業施設への交通の利便性がある
- 中核となる人口が多い
- 十分な用地確保が難しく新規商業施設の出店が容易でない
日本における新規ショッピング・センターの開設は以下の要因で難しくなっています。
- ほとんどの商業地区には既に一店舗以上のショッピング・センターが存在する
- 新規に土地の取得が難しくなっている
- 関係当局から開発認可を取るのに時間と費用がかかり過ぎる
- 多くの勝ち組国内、海外の小売業者はすでに既存のショッピング・センターに出店している
|
 |
保有する物件を購入した際の、物件選定・プロセスについて教えて下さい。 |
 |
常に多数の優良物件が取得の対象として候補に上がっており、随時交渉を行っています。
資産運用会社の投資基本方針に基づき、地域分散だけではなく、小売業の業態、例えばすでに投資している総合スーパー、百貨店、都心型商業施設、高級ブランド店などを組み合わせ、投資主の皆様の長期的利益にかなう最適なポートフォリオの構築を目指しています。
資産運用会社の不動産投資部は、積極的に新規物件の取得を目指し、出来るだけ市場で競争入札になる以前に、優良物件を有利な価格で購入できる様努力しています。又、親会社である三菱商事の多岐にわたる取引関係等のネットワークを最大限利用し、優良な物件の購入機会を増やす努力をしています。
さらに不動産投資部は外資系の不動産ファンドを含め、国内の仲介業者と広範囲に幅広いネットワークを築き、また、金融機関、信託銀行等の企業再生の担当部署との関係強化を積極的に進めています。 |
 |
総合スーパーは施設を一棟貸ししその後、個々のテナントに転賃貸借する方式が一般的です。すなわち各店舗からの賃料回収に賃借人が責任を持つ形態ですが、売上不振に起因するテナントの倒産リスクをどのように考えていますか?さらには、テナントのリスク分散について懸念はありませんか? |
 |
当ファンドではイオン(ジャスコ)とイトーヨーカドーの2社からの賃料収入が大きな割合を占めています(ポートフォリオの概要をご参照)。現在小売業界は、再編、合理化が進むと考えられていますが、同2社については、この恩恵を享受し今後も成長、拡大する会社と考えています。
新規取得の際、テナントの倒産等が生じた場合に備え、個々の物件毎に代替テナントでの運営に支障があるか否かを物件の立地条件、周辺商圏などの観点から検討します。
テナントからの預かり金の条件、その他のリスク要因も慎重に検討します。一般にテナントからの敷金・保証金は特別な性格を持ち、商業施設の中でもショッピング・センター固有のものです。商業施設の開発を始める際、テナントと10年から20年の賃貸借契約を締結し建設協力金を預かるのが慣習になっています。テナントは転賃貸借方式で借り受けた施設をさらに個々のテナントに賃貸し専門店の運営やその他の目的に使用します。
ファンドが保有する郊外型ショッピング・センターについてはさらなるリスク保全の手立てが取られております。すなわちテナントからの預かり金はテナントとの契約内容によって異なりますが、一般的に賃貸借契約期間の11年目以降20年までの10年間、低利で預かり金の返済ができます。
商業施設の売上を伸ばすために、資産運用会社は個々の物件の不動産管理会社を監督し、営業推進、消費者嗜好の把握、地域社会への貢献、広報等に注意を払うと同時に、店舗付けについても常時注視します。従って、各テナントの売上を向上させる為に来店客の数を増やすことが当ファンドの大きな目的となり、安定的に賃料収入の増加をもたらすことにつながります。 |
 |
経費コントロールについて教えて下さい。 |
 |
物件、ファンドの運用段階(一般管理費レベル)それぞれのレベルで以下のような経費コントロールをしています。
- 物件レベル:
選定した不動産管理会社から管理計画案の提出を求め、物件運営に関する費用の管理、コントロールを行います。今後継続的に行う施設の改善、補修計画を含めた計画案を作成させます。
大規模修繕等の資本的支出は少ないと予想されます。従って予想される資本的支出は利益と減価償却、その他内部留保で十分まかなえます。
- ファンド・レベル:
ポートフォリオ運用の段階でみると、将来経費削減が可能な部分はファンドとしての運用に必要な固定費部分です。当ファンドの資産規模が拡大するのに伴い固定的な費用である一般管理費等は比率的に削減ができると考えます。
|
 |
不動産管理会社(プロパティーマネージャー)に対して、定期的な評価・見直しをどのように行っているのか教えて下さい。 |
 |
資産運用会社の重要な役割の一つは、選定した不動産管理会社の個々の物件に対する管理運営計画実施状況の把握です。資産運用会社は不動産管理の業務経験、サービスの質、報酬料率、財務状況、利益相反、国内ネットワーク、小売商業施設に関する専門性をもとに厳格に実積評価を行います。契約期間は大半が1年で、その後6ヶ月延長、または3ヶ月の事前通告で解約可能です。資産運用会社は管理業務を外部委託をしていますが各物件の運営管理に係るすべての意思決定を行います。
資産運用会社は次のような点に留意して不動産管理会社の管理、コントロールをします。
- 販売促進計画:
資産運用会社は一義的に各テナントからの信頼を獲得し、協力して販売促進に専念できる良好な関係を長期的に構築する様努力します。
- 施設維持管理:
資産運用会社は選定した不動産管理会社を監督する計画を作成します。その中には包括的な維持管理方針、定期的な補修計画、快適で良好な施設作り等が含まれます。この計画を実行することで個々の物件の価値を維持、長期的に管理運営費の削減、結果として投資主の利益向上を図ります。
- 経費コントロール・プログラム:
資産運用会社は選定した不動産管理会社から提出された経費削減の提案書等を参考に管理運営費のコントロールを行います。
- 不動産管理会社の監督:
積極的に不動産管理会社を活用すれば店舗の売上向上につながります。さらには、店舗の拡張、改装をすることで賃料収入の増加も図れます。
|
 |
各物件はどのくらいの頻度で鑑定評価を取り直すのでしょうか? |
 |
不動産鑑定士による各物件の鑑定評価は半期(6ヶ月)ごとに新たな評価を取得しており、投資法人規約に定める資産評価の方法及び基準並びに投信協会の定める規則に基づき年に二回決算日時点の鑑定評価を行い、資産運用報告書上で公表しています。 |
 |
地震リスクまたその他のリスクに対しての考え方を教えて下さい。 |
 |
資産運用会社は、火災保険を含め現状の市場環境で適正と思われる包括的な損害保険をかけており、また個々の物件のリスク分析(地震リスク分析も含む)も行っています。
しかし、保険でカバーされない部分、または保険料との兼ね合いで保険をかけていない場合に生ずる損失がありえます。商業施設においては一般的なPML(予想最大損失率)の概念を適用しています。PMLの概念は地震リスクを判断する際に475年に一度の地震が起きた場合の予想最大損失率を計算します。因みに、PMLが10%以下であれば地震保険は一般につけません。
ポートフォリオ全体のPMLは一般に許容レベルと考えられている10%を大きく下回っています。個々の物件は耐震基準をクリアしており、平均築年数も比較的新しい物件を当ファンドは保有しています。(各物件の建築時期については ポートフォリオ一覧 をご参照ください。) |
 |
テナントが倒産した場合、どうなるのでしょうか?倒産したテナントが継続して入居し続ける場合、賃料の値下げもあり得るのでしょうか? |
 |
ケース・バイ・ケースです。テナントとの賃貸借契約の内容により異なり一般論で述べるのは困難です。商業施設に特化することによりテナントからの預かり金のメリットを享受することができます。テナントが倒産した場合、テナントからの預かり金はファンドのリスク評価の観点からプラス要因と考えています。
歴史的にテナントからの預かり金、保証金は小売業界では慣習になっています。商業施設の賃貸借契約にはテナントからの長期預り金・保証金が含まれますが、(総合スーパーの場合、原則的に20年間の賃貸借契約をもとにしています)この制度は他の種類の不動産と性格を異にします。この預かり金制度は海外では存在せず、テナントにとっては大きな負担とも考えられます。
預かり金は物件の原状回復の為の費用に当てられるだけではなく、保証金としての性格を有する部分については、原則としてテナントが仮に退出しても返済計画に沿って11年目以降20年までの賃貸借契約期間満了まで返済を継続します。
賃貸借契約期間中にテナントが退出した場合には違約金としてテナントへの返済額を減額する場合もあります。その違約金の金額はケースにより異なります。テナントの倒産等に関しても新規のテナントが同条件の賃貸借契約を受け入れない場合は、預かり金から未払い賃料を差し引く等の取り扱いが可能な場合もあります。倒産後については管財人が特定の店舗を残す決定をした場合、賃料が全体の収益から優先的に支払われることもあります。
新規物件取得の過程でテナントからの預かり金、テナントの信用度、競合状況、周辺商圏について調査します。特に既存テナントが倒産したり、運営が困難になった場合に備え、代替テナントが確保できるか否かも調べます。
賃貸借契約期間中において売上に対する賃料負担率を詳しく調査します。これは将来的にそのテナントがどれほどの賃料負担に耐えられるかを計る目安になります。 |
 |
ファンドのリスク分散について、どのように考えていますか? |
 |
テナントに関しては、安定した周辺商圏を持った店舗を中心に、地域分散を心掛け、信用力のある優良テナントを確保していく方針です。ただし、世界的な高級ブランド店の多くは格付を取っておらず、テナント全体の信用力は実際にはもっと高いと思われます。一方、専門店がテナントとして入居した商業施設についても、核テナントとの賃貸契約は長期で安定しており、ファンドのリスク軽減に貢献しています。
加えて、小売業界で代表的なジャスコ、イトーヨーカドー、東急ハンズ等の勝ち組小売業者をテナントとしており、長引く経済減速にも拘わらず不況に強い運営を特徴としています。また、世界的な高級ブランド店、Hugo Boss, Louis Vuitton、Gucci、Bvlgari等をテナントとしており、好調な売上を記録しています。
新規物件の選定には、商圏、物件所在地、競合店の有無、テナント信用度等を調査、検討し、厳格なプロセスを経て決定に至っております。従って、多くの案件はこれらの厳しい基準を満たすことができず、実際には購入に至りませんでした。
当ファンドにおける現在の分散状況については、ポートフォリオデータ をご参照ください。 |
 |
資産運用会社の三菱商事ユービーエス・リアルティ株式会社の設立の経緯、また株主構成について詳しく教えて下さい。 |
 |
三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社は、平成12年11月に不動産投資信託委託会社としては初めて、外資系企業と国内企業との合弁会社として設立しました。三菱商事は、金融サービス分野で世界で最大手の資産運用会社であるUBSの不動産運用ノウハウを日本で生かすことを目的として合弁会社を設立しました。
両親会社の強みを生かし世界基準の不動産運用ノウハウを利用することで他社との差別化ができると信じています。
他社に先行して商業施設に特化するメリットはあると考えます。商業施設に特化するに至るまでには多岐にわたり慎重な分析調査を行いました。その結果、業界として合理化、再編が進むと予想される小売業界において、投資主の皆様の利益につながる投資機会を獲得できると考えました。
三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社の授権資本、払込資本金は5億円です。発行済株式総数は1万株(持株比率は三菱商事51%,UBS49%)です。 |
 |
三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社の資産運用会社としての役割、特徴について教えて下さい。 |
 |
テナントとの賃貸業務、物件の取得・売却、財務、税務、運用報告、リスク管理、その他資産運用業務において豊富な経験を有するプロフェッショナル集団が、投資主の皆様への情報開示、透明性の確保を一義的に考え業務を行っています。(詳しくは、組織図 をご参照ください。)
会社型投資信託での投資家保護の観点では、投資基準を含め当ファンドに関する重要な意思決定は、三菱商事、UBSより4名ずつ選任された資産運用会社の取締役8名のうち少なくとも6名以上の賛成が必要となります。リスク管理に関しては法規管理委員会を設け実行性のあるリスク管理体制を整備しています。さらに、不動産投資信託に関する税務、法令の遵守、外部の不動産管理業務委託先の選定についても厳格な決定プロセスを踏んでいます。
不動産管理会社の選定は業務経験、サービスの質、報酬料率、財務状況、利益相反、国内ネットワーク、商業施設に関する専門性等を基準に厳格なプロセスを経て決定しています。
不動産管理業務契約は大半が1年で、その後は6ヶ月延長、また3ヶ月の事前通告で解約も可能となっております。管理業務を外部に委託していますが、資産運用会社は重要な管理業務に関する全ての決定を行っています。 |
 |
三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社の経営陣、運用担当者の経歴を教えて下さい。 |
 |
経営陣、運用担当者の各人の経歴については 資産運用会社の運用体制 をご参照ください。 |
 |
投資法人と資産運用会社との間の利益相反を防ぐために行っている対策、また社内管理体制について教えて下さい。 |
 |
利益相反に係る事項を含め、資産運用会社の親会社、関連会社間取引に関する事項の決定には資産運用会社の取締役8名のうち少なくとも6名以上の賛成が必要です。この特別決議事項規則は投資主の皆様に対して取引の透明性を付加すると考えています。
投資信託及び投資法人に関する法律の規定により、当ファンドは半年に一度、外部の会計監査事務所(当ファンドはあらた監査法人を選任しています)の監査を受けています。さらに、資産運用会社は内部監査を通じて継続的に業務全体を監督しています。 |
 |
今後の小売業界の見通しについて教えて下さい。 |
 |
現在、小売業界では構造的な変化が起きており、当ファンドはその変化を享受できると考えます。小売業界に起きている変革の要旨は下記のとおりです。
- 商業施設の保有と運営:
小売業界での構造変化に伴い、店舗の所有と運営の分離が進むと考えます。小売業者または商業施設のオーナーは売却か物件の所有と他人に肩替りさせ、所有と運営の分離を望む傾向になり始めています。減損会計、減価償却費負担の問題等により、小売業者、商業施設オーナーが物件の保有を継続することが難しくなっています。
- テナントからの預かり金制度における変化:
テナントからの預かり金の制度が変化することが考えられます。歴史的に小売業者は施設の建設コストを負担する目的で、長期で低利の資金提供を求められましたが、この商業施設固有の制度が将来的に変わることが予想されます。現在はこの無利息または低利での預かり金が当ファンドにとっては有利な資金調達の手段になっています。
- 売上連動型賃料体系:
テナントの売上のすべて、または一部に連動する賃料計算の方式は日本の商業施設において一般的になると思われます。これにより商業施設のオーナーとテナントが店舗の売上増加を共通の目標として努力することになります。
今後売上連動型賃料が一般化するのに合わせ将来購入する物件、特に売上の伸びが予想される物件には売上連動型賃料を導入したいと考えています。
- 商業施設に関する投資家啓蒙:
商業施設に関する機関投資家の皆様のご理解が未だ十分でないと思われます。今後、我々のファンドだけでなく小売商業施設に関する調査資料等を通じて小売業に対する理解がより深まると信じています。
日本のショッピング・センターはアメリカをモデルにして発展しました。この現象はショッピング・センターだけではなく、総合スーパー、百貨店、高級ブランド店の小売業全般にいえると思います。消費者は日用品についてはますます低価格志向になる一方、Chanel、Gucci等多くの超高級品店は引続き売上を伸ばしています。資産運用会社として継続的に変化する消費の傾向を注視し、物件の選定を慎重に行ってまいります。
|
 |
外資系小売業者の日本への進出により、既存物件のテナントは彼らを脅威と感じているのでしょうか? |
 |
外資系小売業者の日本進出により、我が国の小売業界における構造改革、合理化はさらに推進されるだろうと期待しております。
さらに、外資系小売業者のうち日本市場での業務拡大を試み、一部の企業は、採算が確保できず日本から撤退することもあります。又、所有していた施設が優良物件であればその商業施設を保有し賃貸する前提で取得する事もあり得ます。
一方、外資系小売業者が成功し、日本での業務を拡大すれば、戦略的に施設を保有し賃貸先として協力関係を確立すれば良好なパートナーになると考えております。 |
 |
投資主の内訳(個人・機関・外国人投資家)を教えて下さい。 |
 |
直近の決算期における投資主の状況は、こちら をご参照ください。 |
 |
親会社は当ファンドの投資口を保有していますか? |
 |
親会社である三菱商事は平成17年3月の第4次公募増資時には他の投資家と同条件で3,000口を追加購入しました。その結果三菱商事は現在発行投資口の約5%を保有しています。さらに資産運用会社の三菱商事・ユービーエス・リアルティは平成18年9月の公募増資時に100口を追加購入し、当ファンドに対するコミットメントをさらに高めています。 |
|
|